施設長 石戸真理 様
音楽療法セッション中の利用者さんの生き生きとした様子に、私たち職員もとても驚いています。音楽が好きな利用者さんが多いので、「音楽療法を取り入れたら、楽しめるのではないか」と思って依頼しましたが、今では「楽しむ」以上の効果も実感しています。
利用者の皆さんは、製品作りや分別などの作業の時間、体力の維持向上活動の時間など、タイムテーブルに沿って日々生活しています。アットホームな施設ではありますが、枠のある集団活動が軸になっているので、個人が主役になる場面はそう多くありません。しかし音楽療法セッションでは、その方らしいのびのびとした姿があり、作業の時とはまったく違う姿を見せてくれています。
全員で参加するタイコの活動です。
集団活動なのですが、音楽療法士さんが一人一人を尊重してくれているのがよくわかります。テンポやその方の雰囲気に寄り添った上で、利用者さん同士のやりとりを音楽療法士がつないでくれます。集団にいながら自分らしくいられる場なので、利用者の皆さんも安心して参加されていると感じますね。
あと、一人をピックアップして、みんなの前で演奏するという活動も、毎回楽しみにしています。
利用者の皆さんがピアノや、ベルなど好きな楽器を選び、音楽療法士さんと共に即興で音楽を作っていきます。ウキウキするような音楽だったり、穏やかな音楽だったり、利用者さんの内面が音に乗って聴こえてくるような感じがします。演奏を終えて拍手をもらう利用者さんの表情を見ていると、こちらも嬉しい気持ちでいっぱいになります。これからもその人らしさが認められる場面を大切にしていきたいですね。